以前、パーキンソン病も、腸内フローラの乱れから慢性炎症になって起こるかもという論文をざっくりご紹介しました。(→ここ

名古屋大学を中心とする研究で、世界中のバラバラの研究発表を新しい方法で解析したところ、なんと、パーキンソン病患者さんで共通して起こる腸内細菌叢の変化がわかったそうです。
すごーい\(^o^)/

①ムチン分解菌のAkkermansia が増加してた。

ムチンというのは腸の細胞が出すどろっとした糖たんぱく質(糖をたくさん含むタンパク質、粘液)で、腸内細菌のエサになるだけでなく、ウンチが移動するときの保護になっているものです。ムチンがないと、ウンチが移動するときはすごく痛いそうです。(ウンチの周りが光ってますよね。あれです)
で、この大切なムチンをアッカーマンシアという菌が食べるということがわかっています。

で、このムチンを食べるAkkermansia が増加すると→腸の粘膜のムチン層がなくなって、腸の壁がスカスカになる→腸内でできる「パーキンソンの原因物質(α-シヌクレイン)」が腸の外側にある神経にたまる→パーキンソン病の発症や進行につながる・・・

腸がスカスカになると、腸でできる悪い物質は、神経にはいって、そして、脳に行ってしまうんですね・・・

(左が正常なムチンがある図で、右がムチンがない図です)

②短鎖脂肪酸産生菌であるFaecalibacteriumRoseburia が減少していた。

この2種類の属の菌は、酪酸をつくる有名な菌たちです。

ということで、
短鎖脂肪酸産生菌(FaecalibacteriumRoseburia)が減少すると→酪酸が減る→中枢神経の炎症を抑えることができない→慢性炎症になり、パーキンソン病を進行させてしまう・・・

酪酸ができないと、免疫の暴走は押さえられませんから。。。

免疫のバランスを整えるブレーキの「酪酸」の話はここ
https://arterio.co.jp/2018/01/29/butyric-acid/

食物繊維や難消化性のデンプンを食べている状態と食べていなくてムチンや酪酸がなくて、菌が漏れていて、免疫が暴走している説明はここにあります。
https://arterio.co.jp/2019/07/15/dysbiosis-3/

ということで、腸内フローラの乱れ(ディスバイオシス)が脳の病気の原因になることもだんだんわかってきて、嬉しいです。原因がわかれば、むやみに恐れることもないですよね。私の場合、祖母がなり、母もパーキンソン病かもといわれたときもあったので、遺伝?ってびくびくしていました。

腸内フローラの乱れから起こる可能性が高いならば、乱れないようにすればいい。そのためには腸内細菌のエサになるようなもの(主食)を食べたり、腸内環境を整えたりすればいい(少し酸性がいい)。

この論文でも便秘との関係を調べていましたが(補足情報のconstipationと書いているのは便秘です)、便秘の人のほうが、3-11倍パーキンソン病になりやすい(Lin et al., 2014)という報告もあります。いつも読んでくださっている方はお分かりのように、ウンチは下剤で出せばいいものではありません。どんなウンチを作るか、どんなウンチを出すかが大事です。

病弱で短命な家系なんですが、だんだん健康なまま天寿を全うできるような自信がでてきました(笑)。

補足説明―――
*図が載っていたので、貼りますね。(図は名古屋大学の発表からお借りしました)

縦軸は、今回解析した国の人のデータです。平均が■です。
上の段はパーキンソン病の患者さんで増えた菌。左がアッカーマンシア
横軸は0がパーキンソン病でない人の平均で、それよりも+で増えたという意味(たぶん)。
下の段はパーキンソン病の患者さんで減った菌。
左から、ロセブリア、フィーカリバクテリウムで、両方とも酪酸を作る有名な菌たちです。
これは左にいくほど、多く減っていることになります。

*論文はフリーでないので、ただで落ちないのですが、補足情報がフリーでした。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/mds.28119
図をはらしてもらおうかなと思ったのですが、字が小さくてみえないと思ってやめました。
菌名がたくさん書いてあって、みるとワクワクします(笑)

*名古屋大学の発表は
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Mov_Diso_200624.pdf
論文はこちら
Meta-Analysis of Gut Dysbiosis in Parkinson’s Disease
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32557853/
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/mds.28119

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