「腸内フローラのバランスの乱れ」が「慢性炎症の元」で「万病の元」④
まだ仮説の部分もあり、脅すわけでないですが、最近の総説に書いてあったことを、簡単に書いていきます。まずは、、、パーキンソン病は、腸内から始まるかもという話です。祖母がパーキンソン病の疑いで入院して、昔だからベッドに縛られていて、お見舞いも辛かったのを覚えています。なんと腸内フローラと関係があるなんて・・
ざっくり書くと・・・
食生活が乱れて、腸内フローラのバランスが乱れると
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腸内に原因物資ができて、
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それが迷走神経(腸と脳をつなぐ神経)で運ばれて脳にいってたまる*1
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さらに、腸内フローラが乱れているので、腸の細胞同士がスカスカになり、腸内にできたものが血液中にでていって、全身が炎症を起こし、普通は脳に入らない物質まで脳にはいる
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脳の免疫のバランスが崩れるので、脳神経が炎症を起こして、神経細胞が死んで
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運動障害が発生する
便秘の人やIBDの人がなりやすいと書いてありました。*2 祖母も便秘だったのかな? 便秘でない女子は珍しいですしね。。。
あと、パーキンソン病の患者さんで、水素をつくる腸内細菌(クロストリジウム属)が減っているという報告もありました。*3
今はやりの水素ですが、飲んでも効果はないですからね~ (水素は水に溶けないし~) ちゃんと腸まで届くデンプンや食物繊維を食べて、腸内細菌につくらせてくださいね。臭くないオナラは水素なので、水素が腸でできている証拠ですね。
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もう少し詳しく知りたい方向けに図も貼りますね。
図の下のほうから始まります。番号順です。腸と脳は2通りの方法で繋がっています。一つは迷走神経(②と③)もう一つは血管です。(④、⑤、⑥)
ということで、腸内にできた悪い物質(または腸から漏れた物質)は、2通りの方法で脳まで行く可能性があります。
①食生活が乱れて腸内フローラのバランスが乱れると
②腸内に「αシヌクレイン」というたんぱく質ができる。
③迷走神経を介して「αシヌクレイン」が脳までいく
④腸内フローラが乱れているので腸の細胞同士がスカスカになり
腸内にできたもの(やLPS(グラム陰性菌の破片)など)が血液中にでていく。
⑤それらのせいで、全身が炎症を起こす(慢性炎症)
⑥血液脳関門もスカスカになって、普通は脳に入らない物質まで脳にはいる
⑦脳内に「αシヌクレイン」がたまる+血液から免疫のバランスを壊す物質が入るので、脳内の免疫のバランスが乱れ、神経が炎症して、神経細胞が死んでしまい、運動障害が発生する
*1迷走神経を介して、αシヌクレインが脳まで運ばれるというところ、不思議なので補足:パーキンソン病の患者さんからとったαシヌクレインをマウスの腸壁にいれたところ、12時間後にはラットの腸壁にあり、2日後にはラットの迷走神経の中にあって、6日後にはラットの脳幹の中にあったので・・・
αシヌクレインは迷走神経を通じて、脳の中に移動することがわかったそうです。げー!
(Holmqvist et al., 2014)
*2便秘の人のほうが、3-11倍パーキンソン病になりやすい(Lin et al., 2014)IBDの人のほうがなりやすい。 (Villumsen et al., 2018)
*3パーキンソン病の起因となる腸管α-synuclein異常蓄積に対する腸内細菌叢の関与の解明
https://research-er.jp/projects/view/960293 まだ研究途中です。
*健康マウスの腸内細菌が作ったものは、脳にいい影響を与え、パーキンソン病モデルのマウスの腸内細菌が作ったものは、脳に悪い影響を与えるそうです。この成分の違いを知りたいですね。
続きはこちら→ https://arterio.co.jp/2020/04/14/dysbiosis-5/