「腸内フローラのバランスの乱れ」が「慢性炎症の元」で「万病の元」③
①腸内細菌がつくる良いもの「短鎖脂肪酸」の不足と
②腸内細菌が作る悪いもの「腐敗物質」の増加が原因で、炎症が起きて、病気になるということですが・・・
短鎖脂肪酸については、短鎖脂肪酸と腸内細菌のネットワーク ①(短鎖脂肪酸の働きについて)
~③までに書いています。
https://arterio.co.jp/2017/08/03/scfa/
短鎖脂肪酸の働きは
細胞の①エネルギー源と、臓器同士の②メッセージ物質です。
①については、上のリンクに書いてあります。
②のメッセージ物質としての働きについてはまた今度お伝えしますが・・・
一部、酪酸のメッセージ物質としての働きは
免疫の暴走をとめるところに書いています。
https://arterio.co.jp/2018/01/29/butyric-acid/
免疫には、アクセルとブレーキの両方が必要で、アクセルばかりだと、バランスが崩れ、自己免疫疾患になってしまいます。自己免疫疾患というのは、自分を自分の免疫細胞が攻撃することで起こる病気です。花粉症、リュウマチ、炎症性腸疾患などなど、 自己免疫疾患の人が昔より増えています。
免疫を上がることばかり強調されていますが、免疫をあがるだけではだめで、免疫のバランスをとることが大事で、そのためには、腸内細菌に酪酸などの短鎖脂肪酸をつくらせる必要があります。
リュウマチや
https://ameblo.jp/dr-rirako/entry-12342557302.html
炎症性腸疾患の人も、酪酸不足だとの報告があります。
(どこかにグラフを載せたはずですが・・)
酪酸が足りているときと足りていないときの綺麗でわかりやすい図がありましたので、紹介しますね。
左側が、食物繊維や難消化性のデンプンをちゃんと食べているので、腸内フローラがバランスがよくて、短鎖脂肪酸(酪酸)も作られているので、大腸の細胞のエネルギーがあり、ムチンという粘液もちゃんとつくられていて、免疫のバランスがとれている状態です。
右側は、食物繊維や難消化性のデンプンをちゃんと食べていないので、腸内フローラがバランスが悪くて、短鎖脂肪酸(酪酸)が作られていなくて、大腸の細胞のエネルギーがないために、ムチンという粘液もちゃんとつくられていないし、細胞同士がスカスカで、腸内細菌や腸内細菌がつくった悪い物質が体の中に入って、免疫細胞が反応して、免疫のバランスが崩れていて、(アクセルだけ)炎症が起きている状態です。
右のような状態になっていると慢性炎症が起きて、大変なことになると、わかってきました。
続きはこちら→ https://arterio.co.jp/2020/04/13/dysbiosis-4/
(やっと次が本題?)
安藤、炎症性腸疾患の病態と腸内細菌のかかわり 日本内科学会雑誌、106(2017)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/3/106_466/_pdf