[標題]
「ライラック乳酸菌」摂取による便通・便性改善効果について
[目的]
健康な日本人が、有胞子性乳酸菌 (Bacillus coagulans) lilac-01(以下「ライラック乳酸菌」)の摂取によって、乳酸菌を摂取しない場合(以下「プラセボ」)と比較して、お通じ(便通)と便の状態(便性)が改善するかどうかの検証を目的としました。
[背景]
一般的に乳酸菌は便通・便性を改善して、生活の質の向上や健康増進効果を期待できることが報告されています。そこで、「ライラック乳酸菌」摂取で便通・便性が改善されるかどうか検証しました。
[方法]
便秘傾向の自覚がある健康な20~80歳の男女297名に対して、試験(ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)を行いました。148名には「ライラック乳酸菌(1日当たり1億個)」を、149名には「プラセボ」を、それぞれ2週間摂取していただき、摂取前1週間と摂取後2週間の便通(排便回数、力み、残便感)と便性(便の色、形、量、臭い)の変化を便通・便性アンケート*1によって調べました。試験実施と結果の解析は第三者機関(北海道情報大学)によって行われ、当社は試験費用の一部と被験食を提供しました。
*1 排便回数を含む便通・便性アンケートを用いる評価は、日本人において妥当性が得られ、かつ、当該分野において学術的に広くコンセンサスが得られた方法です。
[主な結果]
29名が被験食摂取の不足またはアンケート記載不足のために脱落し、268名で解析を行いました。事前に行ったアンケートで、137名を世界共通のローマIII診断基準に基づいた便秘被験者、131名を非便秘被験者と群分けも行いました。
便秘被験者の「ライラック乳酸菌」群では、「プラセボ」群と比較して、便通の項目では排便回数と残便感が、有意に改善されました(P<0.05)。便性の項目では便の量が、有意に改善され(P<0.05)、形は変化し(P<0.05)、便の色と臭いでは改善傾向がみられました (共にP=0.07, 摂取前後比較では有意差ありP<0.01)。
以上のことから、「ライラック乳酸菌」は、便秘傾向の被験者の便通・便性を、2週間で改善することが確認されました。また、本試験で安全性に関する問題はありませんでした。
[科学的根拠の質]
便秘傾向の被験者を対象にして行った試験です。従って健康な便秘傾向の人の便通・便性の改善が期待できると考えられます。

臨床試験結果:
Minamida, K., Nishimura, M., Miwa, K., and Nishihira, J.: Effects of dietary fiber with Bacillus coagulans lilac-01 on bowel movement and fecal properties of healthy volunteers with a tendency for constipation. Biosci. Biotechnol. Biochem., 79, 300-306 (2015).

論文はこちら
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25338680