有胞子性乳酸菌についてのまとめ①(歴史と株について)

リラ子は日本でただ一人の有胞子性乳酸菌の専門家です(多分)。なぜなら、他の株を単離した先生はもうなくなられているからです(^^) ということで、酪酸菌の前に、ライラック乳酸菌も含まれている有胞子性乳酸菌についてまとめないダメだわ~と今頃気が付いたので、ざっくりまとめます。

有胞子性乳酸菌と呼ばれている乳酸菌の学名は、Bacillus coagulansです。1915年に、エバミルクの缶詰から単離されました。熱に強い芽胞を作って、酸素のない状態でも乳酸発酵をして生きているので、加熱殺菌が十分でない缶詰に残っていたのです。(こちらにも詳しく書いてます)https://arterio.co.jp/2016/02/17/lila-chan/

1)日本で単離されて流通している有胞子性乳酸菌はなんと2株しかありません。
①ラクボン株(ラクリス)(第一三共ヘルスケア、三菱ケミカルフーズ)、そして、リラ子が単離した②ライラック乳酸菌(アテリオ・バイオ)です。普通の乳酸菌やビフィズス菌はたくさん種も株もあるのに、有胞子性乳酸菌は種は1種類で、バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)だけです。(実はもう一種類あるのですが、それはバチルス属でないので熱にも酸にも弱く、製品化されていません)

なぜか? それは単離が難しい?(そんなことはなかったのですが)、たぶん熱や酸に強い芽胞にする製法が難しいからだと思います。研究所に勤めている大学の微生物を研究している同期に、よく芽胞にできたね~やり方教えて~って言われました。納豆菌は納豆のなかでも勝手に芽胞になっているのですが、有胞子性乳酸菌は、勝手に芽胞になりません。いろいろコツが必要です。リラ子もそれなりに苦労しました。

こんなところが世界でも少ない理由だと思われます。以前調べたときは、日本に2株、アメリカに1株(たぶん日本の納豆菌屋さんが単離してアメリカの特許庁みたいなところに寄託した)、インドに1株(日本の株が流れていったという噂もありますが)、イタリアに1株くらいでした(今は増えているかもしれません)。

日本で単離されて売られている有胞子性乳酸菌について書くと、
①1949年に中山先生が緑麦芽から単離されたうちの一株のラクボン株(SANK70258, パンラクミン錠という薬に入っている)は、食品添加物として販売されているラクリス(三菱ケミカルフーズ)と、たぶん同じ株ではないかと思われます。1960年代から薬は販売されていてなんと50年以上。素晴らしいですね~ 

ということで、食経験がある安全な有胞子性乳酸菌です(前に書いたもう一種類の芽胞がある乳酸菌は食経験がありません)。そして今ではプロバイオティクスとして世界中で利用されています。

熱に強いだけでなく、酸に強い(食べた菌が胃酸でも死なずに腸までほぼ100%届く)、酸素に強い(酸素に弱いビフィズス菌と違って、その辺に置いておいても死なないので保存性がいい)、乾燥に強い(その辺に置いていても死なない理由の一つ)、小腸に多い胆汁酸でも死なないなどなど、芽胞になっていることで強く、さらに酸素があるときは酸素を使って増えるけど、酸素がない腸内ではエネルギーを作る方法を変えて、乳酸発酵できる通性嫌気性菌という、納豆菌(丈夫)と乳酸菌(乳酸を作る)の両方のいいところをもっている乳酸菌です。

少ない摂取量でも、生きて腸まで届いて、生きているから腸で乳酸をつくって、腸内環境を整えている理由はこれでした。

②ライラック乳酸菌 Bacillus coagulans lilac-01株については、次に書きます。(特許株ですので、菌末はアテリオ・バイオ経由でしか購入できません)

ライラック乳酸菌スタンダード(カプセル)10日分 お試し価格 1,000円 ↓
https://www.ec.arterio.co.jp/lp_kinou2/index_2/?ad_code=blog

是非お試しください(^^)/

続く~

①中山先生の論文: Nakayama O and Sakaguchi K, Studies on the spore-bearing lactic acid-forming bacilli. Nippon Nogeikagaku Kaishi (in Japanese), 23, 513-517 (1950).
②ラクリス(三菱ケミカルフーズ)
https://www.mfc.co.jp/product/rakurisu/about/index.html
③ラクボン(パンラクミン錠(第一三共ヘルスケア)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/panlacmin/
④世界中でプロバイオとして使われているという論文の一部
・Endres JR, Clewell A, Jade KA, Farber T, Hauswirth J, and Schauss AG, Safety assessment of a proprietary preparation of a novel Probiotic, Bacillus coagulans, as a food ingredient. Food Chem. Toxicol., 47, 1231-1238 (2009).
・ Hong HA, Duc le H, and Cutting SM, The use of bacterial spore formers as probiotics. FEMS Microbiol. Rev., 29, 813-835 (2005).
・Matsuzawa T, Iwado S, Kitano N, and Suzuki Y, The biological effects of spore bearing lactic acid bacteria, Lactobacillus sporogenes, in chickens. Japan Poultry Sci. (in Japanese), 9, 153-158 (1972).

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