歯周病と全身の病気について

腸だけでなく歯周病にならないように歯茎のケアもしてね④

メモ程度ですが、もう少し詳しくのせておきます。

(1)歯周病が影響をおよぼす全身疾患は2タイプ
①歯周病の原因菌が肺や心臓内などの標的器官に到達し、新たな病巣をつくる疾患(誤嚥性肺炎、細菌性心膜炎)
②歯周病の原因菌の菌体成分(LPS)や歯周病組織から産生される炎症性サイトカイン等の因子が増悪因子となると考えられている疾患(糖尿病、虚血性心疾患、妊娠合併症、骨粗鬆症)  (廣畑ら)

(2)歯周病と全身の病気が関係あるといわれている
からだの健康は歯と歯ぐきから ~歯周病対策で健康力 … – 8020推進財団
https://www.8020zaidan.or.jp/pdf/kenko/haguki.pdf  から


①歯周病が糖尿病を引き起こすメカニズム

(からだの健康は歯と歯ぐきから)
複数の研究から、歯周病と血糖コントロールに相互作用があり、歯周病治療により、血糖コントロールが改善されることが報告されている(廣畑らのR24 )

②歯周病菌が動脈硬化も引き起こす

(からだの健康は歯と歯ぐきから)
歯周病による菌血病は、血管内皮傷害の原因となり冠動脈の石灰化、プラーク形成の誘因となる可能性がある(廣畑ら、R33)
冠動脈の手術検体からはPorphyromonas gingivalisなどが検出されている(廣畑ら、R40 )

③喫煙すると歯周病になりやすい(きっと副流煙も)(からだの健康は歯と歯ぐきから)

④アルツハイマーなど認知症にも関係がある(健康な人ほど歯がたくさん残っている)

⑤もちろん肺炎にも関係がある。(誤嚥性肺炎)肺に菌がはいる

(3)歯垢の上の方と下のほうでは菌叢が違う (からだの健康は歯と歯ぐきから)

歯茎の上のほうは酸素があってもなくてもいい通性嫌気性のグラム陽性菌が多く、(Streptoccus (共生菌のストレプトコッカス)など)
歯茎の下の方は酸素があると死んでしまう嫌気性のグラム陰性細菌が多い。(Porphyromonas (歯周病原細菌のポルフィロモナス)など)

もともと歯には菌はつきにくい。初期定着細菌群が歯面上に形成された唾液ペリクル(獲得皮膜)に特異的に吸着し、初期プラークを形成する。その後、異菌種間凝集などにより直接歯面に付着する能力のない後期定着菌群が蓄積し、細菌叢に遷移が起こり病原性プラークが形成される。(日大HPより)


ストレプトコッカスたちが歯にくっつけれるようにして、他の菌たちもくっつくことができるようになる。

ウシエナメル質ブロックを義歯床に装着し、口腔内にて2日経過後にエナメル質上に形成されたプラーク。一面にレンサ球菌を中心としたバイオフィルムが形成されている。

(日大HPより)粒粒はストレプロコッカス。歯の上はこんな菌だらけのことになっている。

管理下にあるプラークは、口腔環境の維持に働き宿主とは良好な共生関係が保たれる。しかし、不十分なケアによるプラーク量の増加は、う蝕そして加齢や生体防御能の低下などの因子が加わると”慢性炎症性疾患・歯周病”などの口腔疾患が発症する。口腔感染症は典型的な内因性混合感染症で、慢性症状を示すため生体と共生細菌との相互作用を研究する上で極めて興味あるモデルといえる。つまり、腸内フローラの主な共生部位である大腸は、厚いムチン層で覆われるため粘膜上皮と腸内細菌が直接触れる機会は少ない。しかし、口腔では唾液成分ムチンからなる厚さ0.1~0.2μmのペリクル(獲得被膜)を介して細菌が直接粘膜や歯に付着する。
(日大HPより)https://www2.dent.nihon-u.ac.jp/g.microbiology/oral_infection/index.html

歯周病原細菌の代表の菌Porphyromonas gingivalisは糖を食べない。プロテアーゼを出して直接組織を破壊する。

(たぶん共生菌の)Streptococcus mitisなどは、過酸化水素を産生することによって、病原微生物の侵入や定着を抑制していると考えられる(前田ら、歯薬療法、25, 61-68 (2006))

⑦動脈硬化は血管壁の炎症反応。


参考:廣畑ら、歯周病と全身疾患、日大医誌、73、211-218(2014)

追記:4月22日 3ヶ月後の定期健診してきました。歯茎良くなっていて、歯も綺麗で褒められました\(^o^)/引き続き、歯ブラシ、部分ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスで頑張ります(^^)

さらに7月下旬:さらに歯茎がよくなりほめられました。最近は寝起きも気持ちが悪い感じがないです。夜に、4種の神器(歯ブラシ、部分ブラシ、歯間ブラシ、幅広デンタルフロス)で歯磨きしないと気持ちが悪くなりました。

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