食品にも含まれていたEV2-ライラちゃんもつくっていた!

続きです。
実は動物・植物だけでなく、菌たちもEVを出していることもわかりました

たとえば、納豆菌(枯草菌)です


Extracellular Vesicles Produced by the Gram-positive Bacterium Bacillus subtilis are Disrupted by the Lipopeptide Surfactin  

この、ぷちっとでている小さい粒が、EVです
大きさはウイルスと同じくらいの大きさです(100µm)
そしてわれらがライラちゃんもEVをつくっています!

 

 

 

 

 

これが、ライラちゃんのEVの大きさの分布のグラフで、

この丸いのがライラちゃんのEVの電子顕微鏡写真です。かわいい~♡
計算すると、ライラちゃん1匹がEV100個をば~っと出していることになります

2年前には、コスモ・バイオさんから世界初の試薬として売り出されています
0.2 mLでなんと5万円です
ライラちゃん試薬

これは食べるためではなく、食べても大丈夫だけど、
まずは研究試薬でつくって~といわれてつくったので、めちゃめちゃ高いわけです。
食べるライラちゃんEVはちょっと待っていてくださいね。

菌のEVの研究はまだほとんど進んでいないのですが、中国や韓国で、漬物にいることが多いLactobacillus plantarum(今の名前はLactiplantibacillus plantarum) のEVが炎症を抑えるとかいう論文を発表しています。

大腸菌などのグラム陰性細菌なら菌体から粒がでるのはわかるけど、乳酸菌や納豆菌のような固い殻でおおわれているグラム陽性菌で菌体から粒がでるの~?と思ったマニアな方はこちらをどうぞ。筑波大学の先生方がたくさん研究されています。
リンク先しか書いていないところも左のPdfダウンロードで落ちます

細菌の膜構造体がシャボン玉のように細胞壁の外に形成・放出される仕組みを解明
~シャボン玉を飛ばすのも命がけ~

蛍光写真がきれい。右側にElectronic supplementary materialがあって、そこを押すと動画がでてきます。Natureだけどフリーです
Prophage-triggered membrane vesicle formation through peptidoglycan damage in Bacillus subtilis

細菌が放出する膜小胞の新たな展開ゴミだ、残骸だ、いや、ベシクルだ

細菌が放つ細胞外小胞メンブレンベシクルの多様性

メンブレンベシクルを介した微生物間相互作用

グラム陽性細菌が能動的につくるメンブランベシクルの機能と生合成

微生物が能動的に産生するメンブランベシクルの生合成と機能
イラストがきれい。え、それだけ~?笑
EVは免疫調節もしていて非病原性の乳酸菌等で抗炎症作用があるって書いてます。
Extracellular Vesicle Biogenesis and Functions in Gram-Positive Bacteria

続きはこちら
https://arterio.co.jp/2023/02/23/ev-3/

 

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