リラ子の長女ルミノちゃんの話①

今回は、リラ子が単離した腸内細菌の長女のルミノちゃんの話です。ルミノちゃんの正式な名前は、Ruminococcus productus(ルミノコッカス プロダクタス)といいます。

39歳で再び始めた研究の、ミッション①は、腸内フローラを丸ごと解析する方法の開発で、ミッション②がDFA3というオリゴ糖を食べる菌を見つけるということでした。

オリゴ糖なので、善玉菌で有名なビフィズス菌が食べるかと思ったら、全然食べなかったのです。ビフィズス菌って他の菌が食べないものを食べるゲテモノ食いなのです。だからオリゴ糖を食べるとビフィズス菌が増えるんです(^^)*1

普通通りに、クリーンベンチで培養をやってみたのですが、DFAIIを食べない菌ばかりとれるので、開発したてのDGGEという方法で、DFA3を食べたラットの腸内フローラを調べたら、聞いたことがない菌名の菌が増えていることがわかりました。

ルミノコッカス?

菌の名前はラテン語で意味があって、ルミノコッカスというのは、ルミノ(牛のルーメン)にいた球菌(コッカス)っていう意味です。調べるとかなりの酸素が嫌いな菌。普通のクリーンベンチでは取れなかったのは死んでいたからとれなかったのです。なるほど!

大気には約20%も酸素があって、酸素は、腸内細菌にとって、毒なのです。ちょうど200万円もする嫌気チャンバー(酸素がない状態の小さな空間)を買ってもらったので、早速チャンバー内で実験してみました。

オリゴ糖を食べると酸をつくるので、酸をつくっているかどうかが一目でわかるように、pH指示薬をいれた培地を使いました。酸をつくって周りが黄色になったコロニー(菌の集まり)をとって、DNAをとって名前を調べたら、菌叢解析したときにでてきたときの名前と同じルミノコッカス プロダクタス!

やっとDFA3を食べる菌を見つけました\(^o^)/

ルミノちゃん2

紫の培地ではえているルミノちゃんのコロニー

ルミノちゃん1

ルミノちゃんです。卵型したかわいい球菌。

DFA3というのはカルシウム吸収を促進する不思議なオリゴ糖です。チコリという野菜の塊茎にはわずかに含まれていますが、ラットはもちろん食べたことがありません。そんな一度も出会ったことのないオリゴ糖を1週間もしないうちに食べれるようにしてしまう菌ってすごいなあと感心しました。

その後、ヒト(のウンチ)からもヒト由来のルミノちゃんもとって、教授命令で、ヨーグルトもどきもつくって、みんなで食べました。めちゃめちゃおいしくなかった(T_T) リラ子と弟子たちだけが食べた、世界一まずいヨーグルトもどきです(*^_^*)

今、ルミノちゃんは、ブラウティアっていう名前に変わってしまいました。有名な微生物学者の名前です。ルミノちゃんのほうがかわいいですよね

論文はこちらから~
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16233782
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16233830

*1:実はビフィズス菌以外にも、糖が大好きなバクテロイデスという種類の菌たちもオリゴ糖を食べます。オリゴ糖をとりすぎると、オナラがでて困る人もいますが、それは、バクテロイデスがオリゴ糖を食べて、酸をつくっているからだと考えています。

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