生きている乳酸菌と、死んでいる乳酸菌や乳酸菌生成物を食べたときの腸内フローラが全く違う理由

腸内細菌の専門家のリラ子がお答えします。

(1)生きている乳酸菌と死んでいる乳酸菌は同じですか?

①乳酸を作れるか作れないか:死んでいる乳酸菌は死んでいるので、腸内で乳酸はつくれません。
腸内環境を整えることができるかできないか:死んでいる乳酸菌は乳酸を作れないので、乳酸という強い酸により腸内環境を整えることはできません。
他の腸内細菌が増えるか増えないか:死んでいる乳酸菌は乳酸をつくれないので、乳酸を食べる腸内細菌は増えることができません。
④善玉菌は増えるのか増えないのか:よく言われる善玉菌は、少し酸性のほうがよく増えます。死んでいる乳酸菌は乳酸を作れず、腸内環境を酸性にすることができないので、善玉菌は増えにくくなります。
⑤腸内フローラを整えることができるかできないか:ということで、死んでいる乳酸菌を飲んでも、腸内フローラを整えることはできません。生きている乳酸菌しか腸内フローラを整えることはできません。
⑥短鎖脂肪酸が増えるか増えないか:
死んでいる乳酸菌は乳酸を作れないので、腸内環境を酸性にすることができないため、短鎖脂肪酸を作る菌は増殖しにくくなります。さらに乳酸を利用して短鎖脂肪酸を作る腸内細菌が、原料の乳酸がないので、短鎖脂肪酸を作ることはできません。
⑦酪酸が増えるか増えないか:死んでいる乳酸菌は乳酸をつくれないので、乳酸を原料にしてつくられる酪酸は増えません。
⑧免疫賦活するかしないか:これは同じです。生きていても死んでいても活性化します。死んでいる乳酸菌はたくさんとることはできますが、免疫もバランスが必要ですので、活性化しすぎて、免疫が暴走しないように気を付けてください。

⑨死んでいる乳酸菌は他の乳酸菌のエサになると聞いたけど:乳酸菌やビフィズス菌はグラム陽性菌といって、大腸菌のようなグラム陰性菌より固い細胞壁に囲まれています。以前グラム陽性菌を圧力や磨砕で壊して顕微鏡で観察したことがありますが、形はまったく同じでした。そんな固い細胞壁に囲まれている細菌を、同じ大きさの腸内細菌がエサにするとは考えられません。もちろん死ぬと徐々に溶菌といって溶けていきますし、細胞壁にひびがはいって中味はでてくるでしょう。でも菌の大きさを考えてください。球菌で直径が約1µm(1ミリの1/1000)です。その量の成分を他の腸内細菌のエサにするくらいなら、主食に含まれている腸まで届く難消化性デンプン(レジスタントスターチ)を食べるほうが、腸内フローラを整えるのは効果的です。
⑩死んでいる乳酸菌でも効果が同じといっている先生がいるけど:たぶんその先生が食べられている乳酸菌は有胞子性乳酸菌ではなく、胃酸で死ぬ乳酸菌で、腸に届くころには死んでいたので、同じ効果しか感じられなかったのではないかと考えられます。
⑪死んでいる乳酸菌の機能性表示食品があるけど:これについては各社の作用機序のページをご覧ください。

(2)生きている乳酸菌を食べても、乳酸菌生成物を食べても同じですか?

①乳酸菌が生成した乳酸が体内で利用されるかされないか:乳酸菌生成物に入っている乳酸は、小腸で吸収され、大腸に届かないので、腸内環境を整えることはできません。また腸内細菌によって酪酸はつくられません。他の成分も小腸で消化吸収されます。一方、生きている乳酸菌が大腸でつくる乳酸は、腸内環境を整えたり、酪酸をつくる腸内細菌の原料になります。
②短鎖脂肪酸(酪酸等)が体内でつくられるかどうか:乳酸菌生成物には短鎖脂肪酸は含まれていません。短鎖脂肪酸は腸内細菌が大腸で作ります。大腸で作られて、大腸の細胞から体内に吸収されることにより、短鎖脂肪酸は効果が発揮されます。

3)「腸の奥まで届く生きている乳酸菌をとること」にこだわって、有胞子性乳酸菌であるライラック乳酸菌しか製造販売していない理由

生きている乳酸菌にしかできないことに価値があるからです。選ばれた一種類の菌だけを安全に培養し、生きたまま届けて腸内で効果的に働かす形にするには技術が必要です。技術には特許があり、それぞれ賞をいただいています。(特許第5006986号、特許第6306170号、「平成28年度北海道地方発明表彰 特許庁長官賞」、「第7回「ものづくり日本大賞 ものづくり地域貢献賞」)(もし死んだ菌でも乳酸菌生成物でも同じ効果ならば、わざわざ難しい生きた菌の形にしません(^^))

腸内フローラの変化は、ウンチの色や臭いでわかります。試しに是非確認してみてください(^^)

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