大麦は人によってはオナラがでたり緩くなるかも(腸内細菌にいい食べ物⑤大麦その2)

腸内細菌にいい食べ物⑤大麦その2

少しゆるくなるので、緩い人にはどうだろう???とか、どの菌が食べているんだろう?と思ったので調べてみました(^^)

まずは、大麦について・・・大麦の食べるところ(胚乳)にはいっているβグルカンばかり注目されていますが、全体の6~7割はデンプンです。

(光永ら, 調理科学、26, 1993)

デンプン粒の大きさは大小あって、大きいのが25µm、小さいのが5µmだそうです。 かわいい~

テレビの影響で売り切れているもち麦は、このデンプンのアミロペクチンが多く、しかもβグルカンが多いようですが、あえて、昔から栽培されている押麦か、丸麦をお勧めしたいです。なぜなら菌のエサになったり酸の元になるアミロースが多いからです。

アミロースは、押し麦は25.5%、コシヒカリは14.4%と、かなりお米に比べて多いです。(それだけぱさぱさするということですが)(高﨑ら、東京文化短気大学紀要, 21, 2004)

そして、そのデンプン粒が入っている胚乳細胞の細胞壁に含まれている多糖(全体の1割)に含まれているのが、有名な成分のβグルカンです。(全体の3~5%?7%?)

矢印が細胞壁。中に入っている粒粒がデンプン~かわいい~
https://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/seika/kanto19/10/19_10_40.html

このβ―グルカン、血中コレステロール上昇抑制、血糖値上昇抑制などなどたくさんの機能性が認められているようです。詳しくは、こちらみてくださいね~やまほど詳しく書いてあります。(とりあえず今はうんちしか興味がないので(^_^;))(青江, 大麦βーグルカンの機能性について, 日本食生活学会誌, 26, 2015)

細胞壁の成分なので水に溶ける食物繊維ですが、ヒトの消化酵素で分解できず、大腸にいって、菌のエサになるはずですが。。。。 どの子が食べるか詳しく書いている論文がない~ ビフィズス菌が増えたのが、1つ。世界で一つ~? 増えなかったというのが、1つ。なんで結果が違うの~

①βグルカンがはいったパンケーキを食べさせたヒト試験(フリーで落ちないので読めない~)では、50歳以上の人たち(たぶんビフィズス菌が少ない人たち)では、ビフィズス菌が増えた
(Mitso et al., Food Res. int., 43, 2010)

②培地+βグルカン+ヒトのウンチで、どんな菌が増えたか調べた論文では、ビフィズス菌は増えなかった。(Hughes et al., FEMS Microbiol Ecol, 64. 2008) 酪酸が増えているし、どんな菌が増えたかわかればいいのですが、いまいちあまりみたことがない菌のグループで調べているのでよくわからない。残念。(増えているのがクラスター2、なんでクラスター2?、クラスター2に酪酸生成菌ないはずだけど・・・)

βグルカンは、デンプンと同じくグルコースがつながっているものですけど、グルコース同士の結合がデンプンと違っているので、ヒトは消化できません。(デンプンはα結合)β結合で有名なのは、木とかに入っているセルロースで、(β-1、4結合)、大麦は、β-1、4結合+1,3結合が混じっていて、ヒトの腸内細菌も食べにくい(分解しにくい)結合です。

③大麦を丸ごといれたパンのヒト試験では、血中の酪酸の値が増えたので・・・ リラ子的には、バクテロイデスが食べて、できた酢酸を、酪酸菌が食べて、酪酸ができたのだと考えています。(バクテロイデスは、ビフィズス菌よりなんでも食べる子が多いの~)(Nilsson et al., J. Nutr., 140, 2010)

どの子が食べるか、培地にβグルカンをいれて、菌を一株ずつ入れていけば、わかるのですけど、誰かやっていないかなあああ。βグルカンを研究している人ならば誰でもやっていそうなのだけど不思議だな・・・ もし論文をみつけたら、教えてください(^^)

βグルカンで、酪酸は増えそうなので、緩い人にもいいとは思いますが(緩い人もつまる人も、足りないのは酪酸、ということは酪酸の元を食べていないからなの~)消化悪いので、様子をみながら少しずつのほうがいいと思います。

酪酸は腸の栄養になるいい酸なので、できるのはいいのだけど、弱い酸なので、うんちは黄色くなりにくい。200%の黄色いバナナを求めて、リラ子の旅はさらに続く・・・

筆者について

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