腸内細菌の立場から考える食物繊維③
前回は、食べるもので、ウンチの硬さを操作する極意の②のウンチの形をつくる「腸内細菌が食べることができない食物繊維」のことを書きました。
復習：
①腸内細菌が食べることができる食物繊維≒水溶性食物繊維＝菌が食べて短鎖脂肪酸をつくる、ウンチがふっくらする
②腸内細菌が食べることができない食物繊維≒不溶性食物繊維＝菌が食べれないので、ウンチのカサになる、ウンチが固くなる
今回は①の腸内細菌が食べることができる食物繊維≒水溶性食物繊維＝菌が食べて短鎖脂肪酸をつくる、ウンチがふっくらする ほうの食物繊維について説明します。
現在人が足りないのは、むしろこちらのほうの食物繊維です。炭水化物は太るとか間違った情報が流れていて、炭水化物抜きダイエットとかをする人も多いからです。
たぶん心当たりがあると思いますが、炭水化物を抜いていると、間違いなく便秘か下痢になります。なぜなら、腸内細菌のご飯がないので、、腸内細菌は栄養不足になるからです。
さらに、腸内細菌が腸の栄養になる酪酸っていう酸をつくってくれないので、人間の腸が栄養不足になるからです。過敏性腸症候群（ＩＢＳ）の人も、便秘の人も、大腸がんの人も、この酪酸が少ないことは論文でも報告されています。
そもそも、食物繊維を何のために食べないとならないかというと、腸内細菌に食べてもらって、短鎖脂肪酸を作ってもらうためです。酸の中でも、特に酪酸をつくってもらわないと、人間の腸も腸内細菌も共倒れになってしまいます。（短鎖脂肪酸を飲んでも消化吸収されるので効果ありません。しかも、酪酸は臭くて！絶対に飲めません(^_^;)）
だからしつこいですけど、糖尿病とか、太りすぎとかでお医者さんに制限されている人以外は、炭水化物抜きダイエットなんかしちゃ～だめなんです＼(^o^)／
腸内細菌が食べることができる食物繊維を食べて、腸内細菌がたくさん短鎖脂肪酸をつくってくれると、周りから水を吸い込むというか抱きかかえるので、ウンチはふっくら柔らかくなり、緩いウンチは形ができます。
じゃあ、菌がたべることができる食物繊維って何？っていうことですが、水溶性食物繊維といわれているものです。(リラ子独自分類ではこんにゃくと海藻を除く）ただこの水溶性食物繊維に含まれている有名なものは、植物には少ししか含まれていません。
たとえば
①リンゴのペクチン：含まれている量も少ないですし、リンゴには不溶性の食物繊維も多いので、かえって便秘になる人もいます。
②らっきょや玉ねぎに含まれているオリゴ糖（FOS)：これも含まれている量が少ないので、便秘を防ぐために食べるにはたくさん食べないとなりません。
③プルーンに含まれるオリゴ糖（ソルビトール）：これを３粒位、下剤代わりで食べて出る人もいますが、毎日食べていると食べれる腸内細菌がでてきて、でなくなる人もいます。それと便秘がきついと、オナラがでて、くさいです。
じゃあ、何を食べれないいのか？っていったら、昔から人間が食べてきた主食に含まれるデンプンです！米、豆、イモに含まれているデンプンなのです。
デンプン自体、甘くてすぐに消化される糖とは違って難消化性です。難消化性って、人間の酵素で分解しにくいって意味です。昔は１００％人間の体で消化されて、、糖になって、吸収されていると習いましたが、どうやら違うようです。だから大腸にいって、腸内細菌のエサになることができます。そして、腸内細菌が食べて、短鎖脂肪酸をつくってくれます。
その短鎖脂肪酸が他の菌のエサにもなるし、腸のエネルギーの酪酸にもなります。（腸内細菌の生成物のリレーです）もちろん酸は腸内環境を酸性にするので、腐敗物質もできにくくなり、ウンチは臭くなくなります。（腐敗物質をつくる菌も減るし、酵素も働かなくなるので）
いい菌が育っているウンチは、臭くなくちょっと黄色っぽいバナナです。
腸内細菌に食べてもらって、短鎖脂肪酸にしてもらうために、人間や他の動物は腸内細菌を飼っているんです。
さらに米豆イモには、消化しにくいタンパク質もはいっていて、それらが腸内細菌のご飯にもなります。
ということで、ウンチを丁度いい柔らかさにするためには、デンプン。タンパク質も食べたほうがいいので、できれば丸ごと。(皮は除いても大丈夫です）
ウンチが固いときも軟すぎる時も、主食の米豆芋を食べましょう＼(^o^)／
その３のまとめ
菌が食べることができて、短鎖脂肪酸をたくさんつくってくれる食物繊維は、昔から食べてきた主食に含まれているデンプン。米豆イモを丸ごと食べて、ウンチを正常の柔らかさにしましょう～
＊昨日のＮＨＫのテレビで、オートミールとらっきょを食べるようにいっていたそうですね～ 日本には、米豆イモという素晴らしい農産物があるのに、オートミールなんて・・・寂しいなあって思いました。
