オナラの主体は「呑気(どんき、のんだ空気)」であるという説を支持する人が多いですが、これはかなり怪しいです。腸内ガスの成分を調べると一番多いのが窒素だったというからというのが一応根拠になっています。

腸内細菌が炭水化物を分解するときに水素と炭酸ガスを発生します。人によってはメタンガスも出ます。腸のなかでむくむくと発生するガスはこれが原因です。

口からのむ空気も多少あるかもしれませんが、胃や小腸を通って、大腸まで到達するまでに関門がいくつもあり、それを通って空気が肛門まで出るというのはちょっと考えずらいです。

それよりも腸内で発生した水素や炭酸ガスが血中の窒素とガス交換して腸内に窒素がたまると考えた方がよいでしょう。

血中に溶けた水素は肺に行って呼気に交じって排出されます。呼気中の水素を調べると、炭水化物が腸内で発酵を受けている様子がわかります。これを呼気水素試験といいます。腸内でつくられた水素の約14%が呼気から検出されたと報告されています。

したがってオナラの成分に窒素が多いからと言って、オナラの原因は呑気だとはいえないということです。