腸の具合が悪い人は非常に多いのですが、この問題を正しく理解できているケースは非常に少ないようです。

私たちの腸は大腸と小腸にわけられますが、問題の大半は大腸に原因があります。

大人の大腸は約1.5mあり、小腸を取り囲むように「の」の字を描きます。大腸の上流(近位大腸)と下流(遠位大腸)では大きく状況が変わります。

上図はマクファーレンとカミングスという「この道の巨人」の報告(1991年)からの引用です。

小腸で消化されなかったものが近位大腸に入ってきて発酵しますので、近位大腸では発酵が盛んで、短鎖脂肪酸SCFAがたくさんつくられて、pHが低く(~5.3)なります。

横行結腸では短鎖脂肪酸は少なくなり、pHが少し上がります(pH~6.3)。

遠位結腸ではさらに短鎖脂肪酸は少なくなり、pHがさらに上がります(pH~7.0)。その結果、大腸がんや炎症性腸疾患(IBD)が増加することが示されています。

短鎖脂肪酸には多くの生理作用があることがわかってきており、特に酪酸は大腸のエネルギーとして重要で、癌化細胞の増殖を抑制することも知られています。

この報告が示すように、腸の奥(遠位大腸)で酪酸を生成することは極めて重要な課題になります。

This site is registered on wpml.org as a development site. Switch to a production site key to remove this banner.