便秘の原因には、しかん型、けいれん型、直腸型があるといわれています(下図)。
しかん型は腸が弛緩(しかん)して、大腸が折れ曲がったりねじれたりして、ぜん動運動も不活発になって腸の中身が進行しない状態と考えられます。
実は大腸のエネルギーは、腸内細菌がつくる酪酸という酸がまかなっています。ぜん動運動のエネルギーとなったり、腸の細胞増殖にも酪酸が必要です。腸内環境が悪化して酪酸がつくられないと、腸の細胞をつなぎとめているタイトジャンクションという結び目が緩んで弛緩します。
また腸の筋肉(平滑筋)は使わないと委縮して細くなってしまいます。皮が伸び切って筋肉も薄くなった状態が「しかん型便秘」です。その原因は前述のように短鎖脂肪酸の一つの酪酸がつくられないことですが、その原因はやはり食べ物です。腸内細菌にエサを与えるためにきちんと食事をとることが大切です。