頻繁に出るオナラの原因は「呑気」だという人がいますが、いくら空気をたくさん呑(の)んでもオナラとして出るのは知れています。

腸内のガス(オナラの元)は血液に溶け込んで肺でまたガスに戻り、口から排出されていることがわかっています。

呑気説の根拠はオナラの成分に窒素が多かったということですが、血中には窒素がたくさん溶け込んでいて、腸内で発生したガスと交換されることが考えられます。

腸内ガスの発生が多いとオナラには水素や二酸化炭素、メタンなどが多くなります。ちなみにメタンは日本人はほとんどないようです。

ということでオナラの原因は腸内で発生するガスなのです。それは腸内細菌がつくります。

オナラをつくるのは悪玉菌だという人もいますが、悪玉菌が何を指すのかあいまいです。そりゃウェルシュ菌とか黄色ブドウ球菌とか、いろいろいるでしょというかもしれませんが、ウェルシュ菌は腸の中では悪いことはしませんし、黄色ブドウ球菌は皮膚にはいますが、腸の中にはたいていいません。

じゃ誰がつくっているのかというと、短鎖脂肪酸をつくる菌たちの中に水素や二酸化炭素、メタンガスなどをつくるのがいます。これらはオナラをつくるだけでなく、硫化水素やインドールなどの腐敗物質もつくるのがいます。そのため以前は悪玉菌と考えられていました。

これらは腸内環境が良いと短鎖脂肪酸をつくり、逆に悪いと腐敗物質をつくります。腸内環境とは腸内のpHです。弱酸性だと腸内環境が良く、中性からアルカリ性だと悪くなります。

結局、悪玉菌という菌はいないのではないか。菌というよりは腸内の状態を表していると考えることができます。

同じように善玉菌も100%いいことをしているかというとそうではなく、悪いこともしています。

話を戻すと、オナラが出るのは腸内細菌が短鎖脂肪酸をつくるときにガスをつくってしまうからで、動物の生理として自然の営みなのです。

しかし異常にガスが出たり、緊張するとガスが出ることも事実です。それには別の理由があります。