大腸がんや潰瘍性大腸炎の人は、短鎖脂肪酸が少ない(短鎖脂肪酸③)

腸内フローラをよくする本当の目的って?(短鎖脂肪酸③)

大腸がんや潰瘍性大腸炎の人は、短鎖脂肪酸が少ないというデータがあったので載せておきますね~

①まずは大腸癌のほうから~

一番右が健康人で、左側が大腸癌の人のウンチのなかの短鎖脂肪酸量です。右に比べて、左のほうが、少ないのがわかりますね~短鎖脂肪酸が腸内に少ない食生活をしているから大腸がんになってしまったのか、大腸がんになったので少ないのか・・・?このグラフだけでは断定はできませんが、興味深いデータですね。

②次は潰瘍性大腸炎です。
有名人がなったので病名が有名になったのですが、決定的な治る薬がなく、かなり辛い病気だそうです。

一番右が健康人で、左側が潰瘍性大腸炎の人のウンチの中の短鎖脂肪酸量です。こちらも右に比べて、左のほうが少ないのがわかりますね~それと、緑の枠の「大腸全摘回腸人工肛門」の人には、腸内細菌がいないので、短鎖脂肪酸ができていないのもわかります。

英語で酸の名前が書いてありますが、上から、Lactic acid 乳酸、Butylic acid 酪酸、Valeric acid 吉草酸 (今はわけることができるのですが、昔だから分けることができなかったのかな?)、Propionic acid プロピオン酸、Acetic acid 酢酸です。(注意:乳酸は短鎖脂肪酸ではありません)

ここでもう一つ注目してほしいのは、右側の健康人にほとんどないL(乳酸)が、左側の潰瘍性大腸炎の人には、L(乳酸)が結構多いということです。

これは、次回書きますが、菌たちの酸のリレーがうまくいってなくて、乳酸がたまってしまっている状態です。赤ちゃんの腸にはまだ菌がそろっていないので乳酸がたまりますが、大人になると、菌たちの酸のリレーができて、健康人のウンチからは乳酸はほとんど検出されません。

次の図は、潰瘍性大腸炎の調子がいいとき(緩解期)と調子が悪いとき(活動期)の短鎖脂肪酸量です。

右側に先ほどの健康人のグラフを加えました。左側の直腸型の調子のいい時(緩解期)は、健康人の短鎖脂肪酸量とほぼ同じ量ですが、調子の悪いとき(活動期)は半分以下に減っています。

左側大腸炎型と全大腸炎型の人では、調子がいいとき(緩解期)と悪いとき(活動期)の、酸の量は同じくらいで、健康人より少なく、調子が悪いとき(活動期)は、調子のいいとき(緩解期)に比べて、短鎖脂肪酸量(緑の矢印)が減って、乳酸が増えているのがわかります。潰瘍性大腸炎の二つのグラフから、健康人の酪酸量(この図ではB.V)より、潰瘍性大腸炎の人の酪酸量が少なく、逆に、乳酸が多いことがわかります。菌たちの酸のリレーがうまくいかずに、強い酸の乳酸が増えてしまうと、腸内のpHが下がりすぎます。それで、pHが下がりすぎると酪酸をつくる菌たちが酪酸をつくれないので酪酸(B.V(Vは少ないのでほとんどはBの酪酸))が少なくなります。

酪酸は大腸の細胞のエネルギーですから酪酸不足=エネルギー不足つながっていると考えられます。大腸の細胞は3日に1回生まれ変わるそうですからエネルギー不足で、生まれ変われなくなります。

腸内細菌たちの酸のリレーをうまくいくようにして、乳酸を減らして酪酸を作らせたら・・・潰瘍性大腸炎は少しは調子が良くなるのではないだろうか?短鎖脂肪酸や腸内細菌側から考えると思えるのですが、お医者さんには、そんな簡単なものじゃないと怒られるかもしれませんが、毎日食べるの食品でも腸内細菌を応援して、少しでも調子がよくなってもらえれば・・・といつも思っています。

続きはこちら→ https://arterio.co.jp/2016/10/11/scfa-4/

筆者について

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