加藤先生の話の続きとロイヤルカナンさんの話

「人とペットの暮らし広場2017」で講演した加藤先生のお話はまだ続きます。

牛など草食動物の反芻動物は、胃に腸内細菌をたくさん飼っています。

そしてその菌たちが草に含まれている硬い食物繊維(セルロース)を食べて、体にいい短鎖脂肪酸をつくってくれて、その短鎖脂肪酸は牛の体に吸収されて、牛が生きていくためのエネルギー源になります。さらにその菌たちは、胃の後にある小腸に流れて行って消化されて、アミノ酸になって、牛に吸収されるので、牛は草しか食べていないのに、タンパク質が主成分の、牛の体(肉)や牛乳ができる話を聞いて、これまた合点!
そういうことだったんだ。すごいな、牛!

他の動物、例えば人間は大腸に菌を飼っているので、うんちになって、でていって、もったいないと先生はおっしゃっていたので、「そうそう、いい菌たちが捨てられてもったいないの~」と思っていたら、菌がもったいないわけでなく、菌を栄養源として使わずウンチとなって捨ててしまうのがもったいないということで、さすが、栄養学の先生!ウンチ研究者のリラ子とは視点が違う(^^)

糞食のことも話されていて・・・ 私も昔飼っていた犬が自分のウンチを食べているのを目撃した時は、ちゃんとご飯食べさせているのにショック!だったのですが、その後自分の糞を食べないのは、人間と猫族だけと聞いて、食べると確かにいい菌も入るし、未消化のものも栄養になるなと思ったのですが、ウンチにはいっている腸内細菌も餌にしているんですね。合点!

ウサギの話をされていましたが、飼い主としては目撃したらショックですよね~(^^) でもそれは進化なので、えらい偉いとほめてあげていいことなんですね~

次の演題はリラ子だったので飛ばして(話の内容は、いいウンチはどんなウンチか、観察方法です。ここに書いています。
https://arterio.co.jp/2016/12/21/food/
動画はこちら
https://arterio.co.jp/video/ )

その次は、ペットフードで有名なロイヤルカナンの獣医さんのペットフードの話でした。ペットには消化のいい餌がいいそうで、消化がいいいい餌の目安が、ウンチの量が少ないということでした。

あれ~?人間の場合ですが、8割が水で、残りの1割が食べ物のカスで、さらに1割が腸内細菌と言われていて、便通の臨床試験でも、ウンチの量は評価項目で、ウンチの量は増えたほうがいいとされています。

たとえばライラック乳酸菌を食べたときに、、ウンチの量が増えたということは、腸内細菌が増えたということでいいことなんです。(ライラちゃんの臨床試験では増えています)それに、ウンチの量が少ないと、ウンチがしたいという刺激にならないので、ある程度のウンチの量が必要です。それで、便秘の人には、不溶性食物繊維(ウンチのかさが増える)を食べるようにいわれていて、リラ子たちは、主食のでんぷん(腸内細菌の餌や酸のもとになる)も食べて~っていっているわけです。だから動物もウンチの量が増えるのはいいのかなって考えていたのですが・・・

ウンチには水分が含まれるので(やっぱり80%くらい)、水を飲まない動物(猫)のウンチが増えると、それだけ水分を持っていかれることになり、おしっこが減るので、猫は腎臓病になりやすい動物なので、ウンチに水をもっていかれないほうがいいということでした。なるほど。そういう考えもあるんだ~

便秘の猫用の餌には不溶性食物繊維が入っていて、その場合はウンチの量は多くなります。牛でないので、硬い食物繊維を分解できる腸内細菌は猫にいないから。この場合は、ウンチの量を増やして、刺激して出すという方向の餌なんだと思いますが、短鎖脂肪酸ができると、腸の蠕動運動を促進するし、水はウンチに含まれてしまいますが、ウンチはふっくらして少し出しやすくなるので、不溶性食物繊維だけでなく、猫の腸内細菌でも消化できる炭水化物もバランスよくいれていただいたたいなあとウンチ研究者として思いました。

歯周病の話では・・・

人間でも、歯周病は万病のもとということが知られてきましたが、もちろんペットでもそうなので、歯をきれいにしましょうという話でした。へ~と思ったのは

人の唾液はちょっと酸性なので虫歯菌は増えやすいですが、犬猫の唾液はちょっとアルカリなので、虫歯菌は増えず、歯周病菌が増えやすいので、歯周病になりやすいとのことでした。人間より歯石もたまりやすいとのことです。そういえば、今まで犬や猫を飼っていたけどみんな虫歯にはなっていなかった。

缶詰を食べている猫より固形飼料を食べている猫のほうが、歯につかないせいか、歯はきれいでしたけど、磨くのは難しくあきらめていました。小さい時から慣らしていればよかったかもしれないですが、そこまではなかなかできませんでした。できる方は是非頑張ってみてくださいね。

(人間の歯のブログは https://ameblo.jp/dr-rirako/entry-12239636531.html その4まであります。)

胃腸の話では

犬や猫に必要な水の話とか

人と犬との消化管の違いとか・・・ 人間の大腸って立派なんですね~!

犬や猫や人の消化管の長さについて、ひもでわかりやすく説明がありました。人間長い!

それで、さっきのペットフードの話に戻りますが、犬や猫は四つん這いだし、大腸が細くてためる構造ではなさそうなので、人間と違って、量が少なくても、ちゃっとでるのかなって思いました。

最後はリラ子の話ですが、これは、人や犬猫の腸内細菌の話と腸内フローラをよくする話をざっくりと。腸内細菌の話はここにあります。あ!まだ載せていませんでした。なるべく早めに載せます。

講演会の中味を、ウンチ研究者の目から見ておもしろかったところをざっくり書いていきました~また来年も札幌市小動物獣医師会主催の「人とペットの暮らし広場」のイベントを行うそうなので、ご興味のある方は是非参加してみてくださいね~\(^o^)/

イベントの関係者の先生方、貴重な機会を与えてくださってありがとうございました。講演された先生方、パワーポイントの写真を使わせていただきました。ありがとうございました。

筆者について

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