米に含まれているたんぱく質について(腸内細菌にいい食べ物②米たんぱく)

腸内細菌にいい食べ物②米たんぱく

人体実験の続きです(^^)/  初めはお米の中にはいっていて、腸内細菌のエサになるアミロースが少ないのかと思って、アミロースが多めのお米を探して買おうと思ったのですが、売ってない~で、昔食べて200%のウンチがでていたユキヒカリの玄米を買って食べたのですけど、モチモチしておいしい? 昔はぱさぱさしていたのに、なんで???ほかの玄米は?と思って、買って食べましたが、やはりモチモチしていて、おいしい?

そして、ウンチは200%完璧なウンチではない。

そっか、アミロースの量が少なくなって、200%にならないんじゃないんだ~ でも昔、ぱさぱさしていてあまりおいしくないなあ~と思って食べていたユキヒカリがなぜこんなにおいしいか、ひっかかっていたので、調べると・・・・

お米に含まれているタンパク質は4種類あって、
アルブミン、グロブリン→主に外側にあるので、精米すると糠に多く含まれる。
プロラミン、グルテリン→食べるところ、白米の部分に多く含まれているタンパク質。
(グルテリンは糠部分にも多い。米の主要なタンパク質で、小麦やトウモロコシよりアミノ酸のバランスがいいの~アミノ酸スコア精米61、小麦(中力粉)39、トウモロコシ31、米の科学) 

そして、白米の中に貯蔵されているタンパク質の粒は(お米は種だから発芽するときに使うのね~)プロテインボディーIとIIの2種類で

(米の科学、朝倉書店)

(田中ら,, 化学と生物、543-550, 26)

プロテインボディーIは、上にかいたプロラミンというタンパク質からできていて、1~3 µmの割と小さな粒。(写真左)これが貝のへたのように、縞々構造~ 年輪型 かわいい~

この縞々部分は、含硫アミノ酸(システイン)による疎水結合(SS結合)でできているので、水をはじいて吸水しにくい。しかもこれは白米の外側に多くあるので、この粒粒が多いと、白米に鎧をかぶせたみたいになって、水を吸わなくなり、ぱさぱさのご飯の原因になる。(吸水を阻害して、固くて粘りの少ないご飯になる)

だから、ちょうどこのコメの外側部分ができるころに、窒素肥料をあまりやらないと、プロテインボディーIの鎧ができないので、もちもちしたおいしいご飯になる。よく考えたなあ~

そして、このプロテインボディーIは消化しにくいので(水を含まず、壊れにくいから)、そのままウンチにでるのも多いようで・・・誰かのウンチの写真~

(Tanaka et al., Agr. Biol. Chem., 515-518, 39, 1975)

粒の大きさは1~3.5 µm。プロテインボディーIと同じ大きさ~ ご飯を食べないと、ウンチにこの粒粒はなくなるの~ 論文の写真ですよ~ 誰のだろう???体を張った実験(^^)/ 偉いなあ~ そして、よく顕微鏡で数えたなああ・・・

ウンチ研究者といえども、ウンチを薄めて、その中の菌数を直接数えたことはないですよ~(*^_^*)(DNAとるとか、希釈して培養してコロニー数を数えるとか、染めてみるとかします)

この写真の○が、お米にはいっていて、消化しなくてそのままウンチにでたプロテインボディーI!拡大すると、ちゃんと年輪模様

(Tanaka et al., Agr. Biol. Chem., 515-518, 39, 1975) 本当に消化がわるいのね~

そして、プロテインボディーIIは、グロブリンとグルテリンからできていて、プロテインボディーIより大きくて3~5 µm。(一番上の写真の右)熱に弱くて、ご飯を炊くと壊れて、人間の消化液で分解できるものです。プロテインボディーIIのほうが先にできるので、お米の中心部のほうに多い。

(増村、米の成分(1)粒の生物的形成, 食品と容器, 592-599, 51, 2010)

デンプンもタンパク質の粒2種類もぎっしりつまっていてかわいい~ 開花後14日後の写真だそうです。そんなに早くにできているのね~

ちょうどプロテインボディーIができるころに、窒素肥料を減らしているので、今のお米に少ないのは、外側にできるプロテインボディーIのほう。そしてこれに多く含まれている含硫アミノ酸は、腸内でも足りないアミノ酸。

ということで、200%ウンチに足りないのは、含硫アミノ酸か????
続く・・・・
*含硫アミノ酸:硫黄原子を有するアミノ酸。メチオニン、システイン

追記:2022/6/14
窒素肥料の追肥を減らすことは白米の外側だけでなく内側のタンパク質も減らすようです。タンパク質を減らすと腸内細菌のタンパク質の供給源も減ります。ウンチが黄色い下痢の人(ウンチが酸性すぎる)は、たんぱく質を減らさず栽培しているお米をお勧めします。
ブランド米生産に向けたゆめぴりかの栽培方針 https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030853633.pdf
Ⅴ 良食味米を目指した土壌管理、施肥技術 https://hokkaido-nosan.or.jp/manager/wp-content/uploads/r04_rice-5.pdf
生育中~後期の窒素施肥は米粒への窒素集積傾向が強く(図14)、特に止葉期以降の分追肥は影響が大きいことから、良食味米(低タンパク質含有率米)生産の見地からは止葉期における分追肥は行わない。

筆者について

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