オナラが出る本当の理由とは

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オナラは困りもの?

eyecatch_onarahanazedekiru私のオナラとの付き合いは学生時代にさかのぼります。親元を離れて自炊を始めたころから徐々に悪化したように思います。自炊といっても気の向いたときに好きなものを食べるという程度で、全く栄養面は考えていませんでした。

家にいたころは自動的にご飯が出てきましたが、一人暮らしではそうはいきません。でも好きな時に好きなものが食べられる。家にいたころはほぼ米食でしたが、一人暮らしになってからは、パンやスパゲッティ、ラーメンなど好きなものばかり食べていました。

それも食べたり食べなかったり。そうこうしているうちにオナラがよく出るようになり、下痢が多くなってきました。就職して会社の寮に入っても、寮のご飯はまずいので、自室で厚切りトーストにバターをたっぷり乗せて食べていました。

オナラと下痢の状態は悪化を続けました。毎日午後4時ころになると決まって腹痛がおこり、トイレに駆け込む毎日でした。オナラを我慢するためにおしりに力こぶができたほどに、緊張の日々が続きました。

IBSの原因はストレス?

IBSが原因で登校拒否になり、人生が狂ってしまう子供がいます。私の小学校の同級生にも時々くさい奴がいて、席換えなどでそいつが座ったあとの席に座るのをみんな嫌がっていました。昔の木の椅子に浸みたあとが残っていました。

体格のいい男子だったのでいじめにはあっていませんでしたが、みんな無視していました。あるとき私は勇気を振り絞ってそいつに問いただしました。

「何でいつもくさいんだ」と。

その時、彼は「今朝、牛乳を飲んだ時、変だと思ったんだ」とか言っていたように思います。今、思えば彼もIBSで悩んでいた1人だったのでしょう。そして大変ひどいことをしてしまったといまさらながら反省しています。

医学的には呑気がオナラの原因と考えられています。呑気とは空気を呑(の)むことで、ストレスが強かったり、噛みしめる癖のある人は呑気が多く、オナラが出やすいとされています。

IBSになる人はストレスに弱いというように言われがちですが、自分の体験から言うと違うように思います。むしろIBSになってしまうとストレスに反応しやすくなるというのが正しいのではないでしょうか。

悩んでいる本人も、テストの前や大勢の人の前で特にオナラが出やすくなるため、ストレスが原因といわれても、「自分が弱いからしょうがないんだ」と納得してしまいます。いろいろ頑張ってみても効果がなく、「頑張ってるんだけどもう限界だ」という声がたくさん聞こえてきます。

オナラはどこでできる?

ふつうは呑気が多いとしても、おなかの中で湧き出るガスはそれとは違います。腸で発生するガスはあります!それが意外な形で証明されました。

糖尿病の薬にα-グルコシダーゼ阻害薬というものがあります。これは糖質の分解吸収を阻害して、血糖値の上昇を抑えるためのものです。この薬、よく効くのですが、困ったことが起こりました。異常なほどにオナラが出るのです。

理由は分解吸収されなかった糖質が、大腸に流れ込んでいたためでした。大腸で腸内細菌に出会い、大量のガスを発生したと考えられます。腸内で未分解の糖質と腸内細菌が出会うとガスが発生します。私のおなかの中で、それと同じことがこの糖尿病の薬を飲まなくても起こっていることが考えられました。

未消化の糖質と腸内細菌が出会うとガスが発生する

あるとき遅延型食物アレルギーの検査を受けてみました。遅延型アレルギーとは通常のアレルギーとは異なり、原因となる食べものを摂ってから数時間から数日たって反応が出るアレルギーです。下痢、便秘、膨満感、消化不良、吐き気、嘔吐など過敏性腸症候群とよく似た症状を起こします。

そこで出た結果は、なんと検査した96品目中76品目に遅延型のアレルギーが見つかりました。米や麦など主食が全滅でした。そのほかに果物や豆類などほとんどの食品が食べられない状態でした。

このように食品に過敏な状態では、入ってきた食品を病原菌などと同じ異物と判断しているわけです。それでその異物を消化せずに早く体外に出そうとします。

遅延型アレルギーの場合は食べてから症状が出るまで時間がかかるので、原因を特定することが難しいのです。食べたものを記録しておいて、症状と照らし合わせるなど地道な努力が必要です。

遅発型アレルギーの原因であるIgG抗体の半減期は20~24日*なので、怪しそうな食品を数週間以上食べずにいると、IgG抗体が低下してきます。私の場合、全部食べないわけにいきませんので、順繰りにローテーションする形で食べない食品を変えていきました。

IgG抗体は血液中にできる抗体ですので、原因となる食品が消化されずに体内に侵入してアレルギー反応を起こしていることが考えられました。次回からいかにIBSを克服していったかをご紹介します。

*遅延型アレルギーに関する情報は、下記をご参照ください。
https://www.ambrosia-kk.com/index.html

アレルギーと思われる食品を摂る場合は自己判断せずに専門の医師にご相談ください。

筆者について

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